私の名前はリリィ・スターリング。15歳の探検家見習いです。 父と一緒に世界中の秘境を旅するのが、私の日常でした。でも、今回のジャングル探検は、私の人生を大きく変えることになるとは思いもしませんでした。 2024年7月、私たちはアマゾン奥地にある未踏の密林「エメラルドの迷宮」を目指していました。父が探していた伝説の「生命の泉」があるという場所です。 ヘリコプターから見下ろすジャングルは、まるで緑の海のようでした。翡翠色の木々が風に揺れ、その下には太古からの秘密が眠っているはず。私の心は期待で高鳴っていました。 「リリィ、このコンパスを。」父は離陸前、古びた真鍮のコンパスを私に手渡しました。「これは君のおじいさんが残してくれた大切な物だ。必ず道を指し示してくれる。」 私は父の言葉を信じていました。でも、このコンパスが特別な力を持っているなんて、その時はまだ知りませんでした。 ジャングルに降り立った瞬間、異様な空気に包まれました。鳥たちの鳴き声が突然止み、木々が私たちを見つめているような不気味な静けさが訪れたのです。 「おかしいな...」父が眉をひそめました。「この場所、何か様子が...」 その言葉が終わらないうちに、突如として濃い霧が私たちを包み込みました。視界が真っ白になる中、私は父の姿を見失ってしまったのです。 「お父さん！」叫び声は霧に吸い込まれ、返事はありません。 私は必死で霧の中を走り回りました。でも、方向感覚を完全に失っていました。気がつけば、見たこともない巨大な木々に囲まれていたのです。 そこで私は、不思議な光景を目にしました。木の幹から淡い青い光が漏れ出て、まるで道しるべのように点々と続いているのです。 コンパスの針が狂ったように回り始めました。そして...私の耳に、どこからともなく少女の笑い声が聞こえてきたのです。 ...これが、私とナディアの出会いの始まりでした。そして、この密林で起こる想像を超えた冒険の幕開けとなったのです。 笑い声の主を追いかけて茂みをかき分けると、そこには信じられない光景が広がっていました。 まるで蛍が光るように、夜光虫のような青い光を放つ植物が一面に咲き乱れていたのです。そして、その中心には一人の少女が立っていました。 豹の模様が施された不思議な水着を身にまとった少女は、長い銀髪を風になびかせ、まるでジャングルの精霊のように神秘的な雰囲気を漂わせていました。 「やっと来たね、リリィ。待っていたよ。」少女は私の名前を知っているかのように微笑みかけました。 「あなたは...誰？」私は困惑しながらも、どこか親近感を覚えていました。 「私はナディア。このジャングルの守り人よ。」彼女は手のひらを広げると、小さな蝶が舞い降りてきました。 ナディアは私の不安を察したのか、優しく続けました。「お父さんのことは心配しないで。彼も自分の道を進んでいるわ。でも今はあなたにもっと大切な使命があるの。」 その時、遠くで銃声が響き渡りました。ジャングルの生き物たちが一斉に騒ぎ始めます。 「密猟者たち...」ナディアの表情が曇ります。「彼らは『生命の泉』を狙っているの。このままだと、ジャングルの命が危険よ。」 私は父からもらったコンパスを見つめました。針は常識では考えられない動きをして、まるで私たちに何かを伝えようとしているかのようでした。 「リリィ、あなたのそのコンパスね...それは『選ばれし者』の証。このジャングルを救えるのは、あなただけかもしれない。」ナディアは真剣な眼差しで私を見つめました。 私の心の中で、不安と決意が交錯します。父を探さなければならない。でも、このジャングルが危機に瀕しているなら... ナディアは私の手を取りました。「共に行きましょう。生命の泉へ。そこでなら、全ての謎が解けるはず...」 「生命の泉...どこにあるの？」私が尋ねると、ナディアは南の方角を指さしました。 「古代の遺跡群を超えた、虹の滝の向こうよ。でも、簡単には辿り着けない。このジャングルには意思があって、相応しくない者は決して到達できないの。」 その言葉通り、私たちの行く手には次々と試練が待ち受けていました。まるでジャングルが私たちを試しているかのように。 最初の関門は、「時の迷路」と呼ばれる場所でした。巨大な樹木が作り出す自然の迷路で、中に入ると時間の感覚が狂ってしまうのです。 （つづく） 全部を載せたいのですが、残念ながらこちらのキャプション欄には文字の制限があるため、もし続きが気になる方は私のnoteをご覧ください。気に入っていただけたらハートマークをタップお願いします！