エジプト第18王朝のファラオ、アクエンアテン（アメンホテプ4世）の治政は、「アマルナ時代」と呼ばれ、この時代の美術には伝統的なエジプト美術からの大きな逸脱が見られます。自然主義的表現や家族の描写などが特徴的ですが、この度、テルエルアマルナ近郊の屋敷跡から、保存状態良好なアマルナ時代のパピルスが発見されました。アマルナ時代らしい、古代エジプトとしては生々しいまでの肉感のある絵画ですが、この新たに発見されたアマルナ時代のパピルスには、女性の主導権を象徴する「女王様」と、それに従う「下僕」らしき人物が描かれ、現代的な視点ではSM的な力関係を思わせる場面が表現されています。この図像は、アマルナ時代特有の芸術的革新と個性の表現を示すもので、性的なシンボリズムが含まれている可能性が高いと考えられています。 1: 後ろ手に縛られた貴人の男性と向き合う貴婦人。ヒエログリフには「快楽と痛みは天秤のように等し」と書かれていました 2: 奴隷らしき人物に体罰?を加えている男女 3;見つめあう男女。この絵が発見されるまでは、1と2の絵は女性領主による犯罪人の尋問場面との主張もありました 4: 男女の役割逆転? 5: 世界最古? 鞭を持つ女王サマの図