こんにちは、私の名前はユリカです。普段はこの小さな街の本屋で働いているんだけど、今日はそのお話ではなく、最近の私の気持ちについて少しだけ聞いてほしいなと思って、こうしてお話ししています。 私はいつもこの青い制服が好きで、今日もお気に入りの服を着て出かけてきました。青いベレー帽に、肩にはフリルがついた白いブラウス、そして、星が散りばめられたような青いスカート。この服を着ると、まるで自分が空の一部になったような気がして、なんだか少しだけ特別な気分になれるの。だから、今日もその気持ちに背中を押されて、外に出てきたんだ。 私の好きな場所の一つに、この古い石造りの階段がある。おばあちゃんの家の前にあるんだけど、ここに座ってると、どこか懐かしい気持ちになれるんだ。静かで、風がそっと頬を撫でて、時折通り過ぎる人たちの足音が遠くから聞こえるだけ。昼下がりの柔らかな光が、建物や私の足元に優しく影を落として、少しだけ心が温かくなる。私はここで何度も、ぼんやりと座って、考え事をしていた。 今日は、少し考えることがあって、またここにやって来たの。最近、私は自分がどこに向かっているのか、少しわからなくなっていた。周りのみんなが新しいことに挑戦して、前に進んでいく姿を見るたびに、私は取り残されているような気がして、少しだけ不安になることがあるんだ。特に、私の親友のミサキは、何でもすぐに決断して、迷いなく行動できる子だから、その姿を見るたびに「私もこんな風に前に進めたらいいのに」って、何度も思った。 ミサキとは小さな頃からずっと一緒だった。お互いに支え合いながら、たくさんの思い出を作ってきた。でも、最近は彼女が忙しくなって、あまり一緒に過ごせなくなったんだ。大人になるって、こういうことなんだろうか。大切な人との時間が、少しずつ少なくなっていくことに、どうしても慣れることができなかった。 そんなことを考えながら、いつも通り階段に腰掛けていた時、突然、背後から元気な声が聞こえてきた。「ユリカ！」。振り向くと、そこにはミサキが立っていた。いつもの笑顔で、何も変わらない彼女の姿がそこにあったんだ。彼女は、「久しぶりに話さない？」って、私の隣に座った。 久しぶりに二人で話した。ミサキは忙しさの中でも、私のことを気にかけていてくれたこと、そして、自分も悩んでいることがあることを教えてくれた。彼女がすごく強く見えても、実は私と同じように迷いながら前に進んでいるんだって、その時初めて気づいたの。彼女も大変なことがあったのに、それでも笑顔で私に会いに来てくれたんだ。彼女の存在がどれだけ私を支えてくれていたのか、その時改めて感じたよ。 それから、私たちはただ並んで、青空を見上げて話をした。どちらからともなく、少しだけ未来の話をし始めた。「これからどうしていきたいか」とか、「何が本当に大切なのか」とか、そんな難しいことを、青い空を見ながら静かに語り合ったんだ。ミサキは、私が感じていた不安をすべて理解してくれて、そして「一歩一歩でいいんだよ。大丈夫、ユリカはちゃんと前に進んでるよ」って、優しく言ってくれた。 その言葉を聞いて、私は何だか少しだけ胸が軽くなった。前に進むことが怖くて立ち止まっていた私に、彼女の言葉はまるで新しい風を吹き込んでくれたみたいだった。未来はまだ見えないけれど、今こうして大切な友達がそばにいてくれること、それが何よりも力強い支えになるんだって思ったの。 帰り道、私は少しだけ笑ってしまった。だって、これまで不安に思っていたことが、ミサキと話したことで、なんだか小さなことのように感じられたから。今はまだ、何も完璧にはなっていないけど、そんなに急ぐ必要はないんだ。少しずつ、一歩一歩進んでいけば、それで十分なんだって、彼女が教えてくれた。 この青い空の下で、私はまた新しい一歩を踏み出せる気がしている。自分のペースで、焦らずに進んでいけばいい。未来はまだわからないけれど、それでも、きっと素敵なものが待っていると信じているんだ。 だから、私はまた明日もこの青い制服を着て、この街を歩いていこうと思う。