ぶ「あ、こんにちは！私の名前は沙織。趣味は散歩と、ちょっと不思議なものを集めること。今日はちょっと変わった話をしてもいい？」 私はベンチに座り、青空の下で心地よい風に髪をなびかせながら、軽く微笑む。緩やかなカールがかかった黒髪は、太陽の光に照らされて、ほんの少し茶色がかって見える。何度か指で髪を整えながら、私は自分の服をちらっと見て、改めてこの日のコーディネートを思い返した。 トップスは、薄いスカイブルーの刺繍入りブラウス。袖口がゆったりしていて、風が通り抜けるたびに涼しさを感じる。光が当たると、繊細な模様が浮かび上がり、まるで手作りの芸術品みたいに見えるの。胸元には、ちょっと古い感じの懐中時計のペンダントをつけていて、この時計が私のお気に入り。レトロでどこかノスタルジックな雰囲気があるでしょ？それに、ベルト付きのボヘミアン風のパンツも合わせてみたんだ。柔らかな茶色の布地には、赤や金の模様が施されていて、私が選ぶファッションは少し独特だって言われるけど、自分では結構気に入ってる。 でも、私のファッションよりも今日はもっとおかしなことが起きたの。信じられないかもしれないけど、聞いてほしい。 --- 今朝、いつも通り家を出て、この公園まで散歩に来たの。空はこんなに青くて、緑の木々が太陽に輝いてる。風も心地よくて、最高の散歩日和だなって思ってたんだけど、公園の入り口で何か変なものを見つけたの。 それは……小さな球体。手のひらに乗るくらいの大きさで、銀色に輝いていたの。最初はただのボールか何かだと思って、無視しようとしたんだけど、何かが私を引き止めた。なんだろう、無意識のうちに手を伸ばして、その球体を拾い上げてた。触ると、冷たくてツルツルしてて、何の感触もないんだけど、やけに重かったのよね。 「何これ？」 独り言を呟いて、その球体を眺めていると、突然、ピカッと光ったの！まさにその瞬間、周りの景色がぐにゃりと歪んで、気がつけば、私は知らない場所に立っていたの。 目の前には、奇妙な機械がたくさん並んでいて、私が立っている床も、まるで金属みたいに冷たく、無機質な感じ。どこを見ても、人影はなくて、ただ機械の音がかすかに聞こえるだけ。私はパニックになりかけたけど、冷静になってもう一度球体を手に取ってみた。 その瞬間、また元の公園に戻ってたの。ほんの一瞬の出来事だったのか、周りには誰も気づいた様子はない。 「なんだったの、今の……？」 私はあの球体を恐る恐る眺めながら、どうしようか考えた。でも、気になって仕方ない。結局、その日、何度も試してみたんだ。触るたびに違う場所に飛ばされるの。機械の世界だったり、どこかの砂漠の真ん中だったり、時には宇宙のような星々が広がる場所だったり……本当に信じられない光景ばかり。 --- 「この球体がね、不思議なことに、触れるたびにどこか別の場所に連れて行かれるの。ちょっと信じられないでしょ？」 私はベンチに腰掛けて、今もその球体を手のひらで転がしながら話す。これが夢なのか現実なのか、まだよく分からない。でも、日常の合間にこんな小さな奇跡があるなんて、少し楽しい気もする。 でも、正直言うと、ちょっと怖いの。何か大きな問題が起こるんじゃないかって。それに、この球体がどこから来たのかもわからないし、私がこんなことを続けてていいのかも、まだ迷ってる。 それでも……やっぱり気になるんだよね。今日はどんな場所に行けるのか、明日は何が起きるのか。 さて、これからどうしようか？ --- この話にはまだ続きがあるのかもしれないけど、今はここまで。私の日常はちょっと不思議だけど、あなたの日常もきっと、何かのきっかけで変わるかもしれないよ？