青果(せいか)の永遠 "The Eternal Bloom of Evolution"
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AIツール: StableDiffusion
モデル:himawarimix_xlV13
年齢制限:制限なし
投稿日:2024年12月22日
私の足元には、ひび割れたアスファルトの隙間から広がる青い苔が生い茂っている。胞子が微細な霧となって舞い、朝の冷たい陽光を浴びて淡く光を放っていた。都市の残骸は異様な静けさに包まれ、かつての喧騒は幻のように消え失せている。私の息遣いだけが、この廃墟で生きている証だと告げていた。
私の名前はリナ。かつて科学者だった頃の私は、自然界の秩序を理解したつもりだった。けれど、この世界の中ではその知識は無力だ。文明は滅び、地球は新しい生命に支配されている。あの「変化」が起きてから、どれほどの年月が過ぎたのかも分からない。ただ一つ確かなことは、私がここに迷い込んだのは偶然ではないということだ。
風が吹き抜ける音が耳に届いた。冷たい空気が髪を乱し、首元をくすぐる。この風には何かが混ざっている──湿った土と、腐敗した植物、それに淡い果実の甘い香り。振り返ると、青い塊が低い木の枝に垂れ下がっていた。それはまるで果実のようだが、近づくと生命が脈動しているのが分かる。
私は恐る恐る手を伸ばした。触れると冷たく、表面は柔らかい。透き通った薄膜の下で、何か液体が揺れている。
「食べてはいけない」
誰かの声が頭の中で囁く。私の理性は危険を訴えるが、胃の中は空っぽで、その声に抗う力はない。気づけば、私は果実を引きちぎり、口元に近づけていた。
一口かじると、甘さと酸味が絡み合った液体が舌を覆った。同時に冷たい波が体中に広がり、意識が遠のく。
倒れ込む私の視界の端で、青い苔がゆっくりと広がるのが見えた。その中心には、私が吐き捨てた果実の種が静かに横たわっていた。
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目覚めたとき、私は変化を感じた。肌の表面に何かが生えている。触れると、小さな瘤のようなものが指先にあたった。それは、まるで私の体の一部ではないかのようだった。
鏡代わりの水たまりに顔を映し込む。髪には青い光が宿り、目は赤く染まっていた。その瞳は、もはや人間のものではない。
「これは…私なのか?」
呟きながら、私は手を見下ろした。指先が震えている。けれど、その震えは恐怖ではなかった。私はなぜか、この変化に奇妙な安堵を覚えていた。
足元には青い苔が再び広がっていた。私は立ち上がり、目の前の廃墟を見渡した。この世界は、私を拒むどころか受け入れているようだった。
そして、その受け入れが祝福であるのか、呪いであるのか、まだ分からない。
けれど、歩き出すしかない。私は知りたい。この変化が何を意味するのか。この新しい世界が私に何を求めているのか。
私は足を進める。青い苔が、私の足跡を追うように静かに揺れていた。
(つづく)
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全部を載せたいのですが、残念ながらこちらのキャプション欄には文字の制限があるため、もし続きが気になる方は私のブログ「MochiMermaid’s AI Art Adventures」をご覧ください。気に入っていただけたらハートマークをタップお願いします!