【(1)のつづき】 チョコレートケーキの濃厚な味わいを堪能しながらも、私の心はざわめいていた。 「本当に、このままでいいのかな？」 天使の言葉が、頭の中で何度も繰り返される。 「タマちゃん、ここで満足しちゃダメだよ。 目標を達成するためには、もっと頑張らなくちゃ！」 でも、悪魔も囁く。 「タマちゃん、そんなに自分を責めなくても大丈夫だよ。 たまには、息抜きも必要だよ。 それに、今日は友達の誕生日パーティーなんだから、楽しまなくちゃ！」 天使と悪魔の言葉が、交互に頭の中で響き合う。 私は、どうしたらいいのか分からなかった。 ケーキを食べることは、本当に悪いことなんだろうか？ 友達との楽しい時間を過ごすことは、間違っているんだろうか？ そんなことを考えていると、友達が話しかけてきた。 「タマ、どうしたの？ なんか、元気ないみたいだけど。」 私は、友達に微笑んだ。 「ううん、大丈夫だよ。 ちょっと考え事をしていただけ。」 でも、本当は、全然大丈夫じゃなかった。 私は、友達に嘘をついてしまった。 ケーキのことで悩んでいることを、打ち明けられなかった。 「タマ、何かあったら、いつでも相談してね。」 友達は、そう言ってくれた。 でも、私は、何も言えなかった。 友達の優しさが、逆に私を苦しめた。 「こんなに優しい友達を、私は裏切ってしまったんじゃないか？」 そんな風に思えて、罪悪感でいっぱいになった。 私は、ケーキを食べるのをやめた。 もう、これ以上食べることはできない。 そう思った。 でも、ケーキはまだたくさん残っている。 友達は、美味しそうにケーキを食べている。 それを見ていると、また食べたくなってくる。 「やっぱり、一口だけなら……」 そんな風に考えてしまう私は、やっぱり甘いのかな。 私は、友達との楽しい時間を過ごしながらも、心の中では葛藤していた。 天使と悪魔の戦いは、まだまだ続く。 私のダイエットも、まだまだ続く。 果たして、私はこの誘惑に打ち勝つことができるのだろうか？ それとも、甘い誘惑に負けてしまうのだろうか？ *** 友達とのパーティーが終わって、家に帰る道すがら、私はずっと考えていた。 ケーキのこと。 友達のこと。 そして、自分のこと。 私は、本当にこのままでいいんだろうか？ 天使の言う通り、誘惑に打ち勝って、目標を達成することが、本当に正しいことなんだろうか？ でも、悪魔の言う通り、たまには自分を甘やかすことも、許されるんじゃないだろうか？ そんなことを考えていると、なんだか自分が分からなくなってきた。 私は、一体どうしたいんだろう？ 本当に、ダイエットをしたいんだろうか？ それとも、ただ周りに流されているだけなんだろうか？ そんなことを考えていると、ふと、あることを思い出した。 それは、ダイエットを始める前に、自分が立てた目標。 「健康的な生活を送りたい」 ただ痩せるだけじゃなくて、心も体も健康になりたい。 それが、私の本当の目標だった。 ケーキを食べることは、決して悪いことじゃない。 友達と楽しい時間を過ごすことも、決して間違っていない。 大切なのは、バランスなんだ。 食べ過ぎないこと。 無理をしないこと。 そして、自分を大切にすること。 それに気づいた時、私は、心が軽くなったような気がした。 「そうだ、私は、私のペースで頑張ればいいんだ。」 そう思った。 天使と悪魔の戦いは、まだ続くかもしれない。 でも、もう迷わない。 私は、私らしく、自分の目標に向かって進んでいく。 それは、小さな決意だったかもしれない。 でも、私にとっては、大きな一歩だった。 そして、この小さな一歩が、きっと未来の私を変えてくれると信じている。 【(3)につづく】