「大輝、勉強しないと将来ヤバいわよ？」 母親のその一言で、俺の人生は決定した。 ——家庭教師、爆誕。 「大輝くん、これからよろしくね！」 目の前で微笑むのは、俺の新しい家庭教師・香澄さん。年上のお姉さんで、清楚系の美人。……なんだけど。 「えっと……何の話だったっけ？」 彼女はすでに、持っていた教科書を逆さまに開いている。 おいおい、こんなので大丈夫かよ！？ 「いやいやいや、香澄さん？ 教科書が逆ですよ」 俺は目の前の光景に思わずツッコんだ。いや、普通に考えておかしいだろ。家庭教師が教科書を逆さまにしてるって、どんなギャグだよ。 「あれ？ ほんとだ〜！😆 えへへ、ごめんね！」 香澄さんは申し訳なさそうに頭をかいたけど、その顔はどこか楽しそうだった。いや、楽しまれても困るんですけど。 「香澄さん、本当に大丈夫なんですか？」 「もっちろん！ 私、成績は学年トップだったからね！✨」 「いや、だからって天然は治らないでしょ……」 「えっ？ もしかして私って天然なの！？😳」 「気づいてなかったんですか……」 俺は思わずため息をつく。前途多難すぎる。 それにしても、こうして近くで見ると、香澄さんってほんとに美人だ。ふわっとしたセミロングの髪、優しい瞳、ふわっと香る柔軟剤の香り……いやいや、今はそんなことを考えている場合じゃない。 「それよりも、大輝くん！」 「はい？」 「恋愛って、どうやったらできるの？」 「……は？」 俺の脳内で、思考がフリーズした。 「だってね？ 私、今まで勉強ばっかりで、恋愛ってしたことないの。でも、せっかく家庭教師をするなら、勉強だけじゃなくて、恋愛についても教えられたらいいなーって思って！」 「……えっ、ちょっと待ってください。それってつまり……？」 「だから、大輝くん！ 私に、恋愛を教えて？」 香澄さんは、にこっと笑った。 ……これはヤバい。絶対、何かとんでもないことが始まる予感しかしない。 ＊ 「いや、無理無理無理無理！！💦」 俺は全力で首を振った。 「何で俺が香澄さんに恋愛を教えなきゃいけないんですか！？ そもそも俺だって恋愛経験ゼロなんですけど！！😱」 「えっ、そうなの？ なんかモテそうなのに！😲」 「いや、そんなこと全然ないんで！」 「ふーん🤔 でも、大丈夫！ 恋愛ってね、きっと勉強と同じで、やってみたら覚えられるものなんだよ！」 「え、何その体育会系のノリ……」 俺が呆れていると、香澄さんは「えへへっ💕」と可愛く笑いながら、俺の目をじっと見つめてきた。 「だからね、大輝くん！ 私と一緒に恋愛の練習しよっか！🥰」 「……はあぁぁぁ！？😵‍💫💥」 脳内が完全にバグる。香澄さんが何を言っているのか、まったく理解できない。 「例えばね？ 恋人同士がデートをする時って、どうやって手を繋ぐのかなって思ってて💖」 そう言うやいなや、香澄さんはスッと俺の手を取ってきた。 「ほらっ！ こんな感じ？😳」 ふわりと、柔らかくて温かい指先が絡まる。 「う、うわあぁぁぁぁ！！！😵‍💫💘💥」 心臓が爆発するかと思った。 「えへへ、大輝くん、顔真っ赤だよ？😆」 「いやいやいや！！ そういうのはダメなんですよ！？ もっとこう、恋愛って段階を踏むもので！！！」 「えっ？ そうなの？🤔」 「そうですよ！！💦 いきなり手を繋ぐとか、そういうのは普通はハードルが高すぎるというか！！！」 「そっかぁ🤔 じゃあ……」 香澄さんは少し考えた後、パッと顔を明るくして—— 「じゃあ、次はハグの練習しよっか！🤗💓」 「いや、なんでそうなるんですかぁぁぁぁ！！！😭💦💥」 これは……本当に、俺の人生最大の試練かもしれない。 ＊ 「無理無理無理無理！！！！！😱💦」 俺は全力で後ずさった。 だが、すでに手遅れだった。 香澄さんは、ふわっとした笑顔を浮かべながら、俺の両肩にそっと手を置いて—— 「ぎゅ〜っ💖」 柔らかい温もりが、俺の全身を包み込んだ。 「っっ！！！！！💥😵‍💫」 思考が、真っ白になる。 何が起こったのか理解するより先に、俺の脳はパニックを起こしていた。 「……あれ？ なんかすっごくドキドキするね💓」 「いやいやいや！！！！💦 だから言ったじゃないですか！！！ こういうのは段階を踏むべきだって！！！」 「えっ、でも、大輝くんも練習した方がいいかなって思って……🤔」 （つづく） 文字の制限があるため、続きは私のnoteをご覧ください。気に入っていただけたらハートマークをタップお願いします！