はじめまして、月野あかりです！🐰✨ バニーガールって、どんなイメージがありますか？ きらびやか？ 妖艶？ それとも、ただの飾り？ 正直に言います。 私は、バニーガールを 魔法使い だと思っています。 ……なーんて言うと、ちょっとクサいですかね？💦 でも、本気です。 たとえば——。 スーツに身を包んだ大手企業の社長が、仕事の愚痴をこぼしながら、ふと目を細める。 「君と話していると、なんか楽になるよ」 たとえば——。 離婚したばかりの女性客が、「こんなの初めて」と言いながら、涙を浮かべて笑う。 「バニーガールって、ただのお飾りじゃないんだね」 たとえば——。 ただの一杯のシャンパンが、何気ないひと言が、ほんの少しだけ誰かの心を癒す瞬間。 それは、まるで魔法みたいじゃないですか？ ——港区・六本木。 きらめくネオンの海に浮かぶように佇む、高級キャバクラ 「Moonlight Garden」。 私はここで、バニーガールとして働いています。 もう5年目になります。 最初は、ただの「アルバイト」のつもりでした。 でも、気づけばここが 私の舞台 になっていた。 笑顔ひとつで、人を救えるかもしれない。 言葉ひとつで、誰かの人生が変わるかもしれない。 そんな奇跡が、夜の世界にはあるんです。 🌙✨🐰✨🌙 でもね——。 魔法をかける側の私は、果たして 本当に幸せ なのか？ 時々、そう思うこともあります。 「夜の女」としての私と、ただの 月野あかり としての私。 どちらが「本当」なのか、分からなくなる瞬間がある。 でも、私は信じています。 この仕事には 意味がある って。 この仕事を通じて、私は 夢に近づける って。 私の夢——。 それは 自分のカフェを持つこと。 温かくて、心がほどけるような場所を作ること。 そのために、私は今日も バニーガールという魔法使い であり続ける。 さあ、夜が始まります——。 🌙✨🐰✨🌙 ——「月野さーん！セット入りまーす！」 控室でリップを引きながら、私は軽く手を挙げた。 「はーい、今行くね💄✨」 鏡の中の自分を見つめる。 漆黒のバニースーツ、シルクの耳、真っ赤なルージュ。 完璧な笑顔、隙のない立ち姿。 うん、大丈夫。今日も 魔法は解けていない🔮🐰✨ 「Moonlight Garden」 は、六本木の中でもトップクラスの高級キャバクラ。 VIPルームには政財界の大物、芸能人、有名IT社長たちが集う。 会員制。紹介なしでは入れない。 バニーガールたちは、ここでは ホステスではなく"演者" なの。 その夜、その場限りの 最高の幻想を作り上げる役者たち🎭 「じゃ、行ってくるね🐾✨」 ——ドアの向こうには、ネオンに照らされた異世界が広がっていた。 🌙✨🐰✨🌙 💎 「お、今日も美しいね、あかりちゃん」 シャンパンの泡が弾ける音とともに、スーツ姿の男性が微笑む。 その隣では、別の男が葉巻をくゆらせながら、上品に笑っていた。 「こんばんは🌹✨ 今日はどんな魔法をかけてほしいですか？」 「ははは、いいねぇ。じゃあ、今夜は"疲れを吹き飛ばす魔法"をお願いしようか？」 「お任せあれ🎩✨」 ——言葉と笑顔を駆使しながら、彼らの心の隙間に入り込んでいく。 ほんの一瞬でもいい。 彼らの 心を軽くすること ができたら、それでいい。 私の魔法が届く限り、この夜はきっと 特別なものになる🌙✨ 🌙✨🐰✨🌙 ……でも、その夜、私は 奇妙な客 に出会った。 「ねぇ、月野あかりさん？」 ふと、背後から名前を呼ばれる。 振り向くと、そこにいたのは 黒いスーツの男。 手にはスマホ、視線は鋭い。 ただの客じゃない。 彼の瞳の奥には、何か 別の目的 が見え隠れしていた。 「……どなたですか？💫」 「ちょっと、話があるんだよね。君にしかできない"仕事"の話が」 ——その瞬間、私の"魔法"が大きく揺らぐ音がした。 🌙✨🐰✨🌙 [ (2) につづく ]