光の羽のメッセンジャー ~星空モチの約束~ (1)
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AIツール:その他
モデル:flux1-schnell
✨ほしぞら村は、夜空の隅っこ、オリオン座とプレアデス星団の間に浮かぶ、ふわふわした雲のようなところ。そこではいつも、夜明け前の空のように深い青紫色の光が揺らめいていた。
🌟星空モチは、その村で一番小さな住人。体はまるで羊毛フェルトで作られたような手触りで、頭のてっぺんにはクリスタルのような小さな星が揺れている。
「むにゃむにゃ...あと5分だけ...」
💤モチはいつものように、ふわふわの雲ベッドで丸くなっていた。昨夜は満月の星占いで村の皆に幸せのメッセージを届け、ぐったり疲れ果てていたのだ。
でも、耳をすませば何かおかしい。いつもの朝は星たちのさざめきでいっぱいなのに、今朝はなんだか静か過ぎる。
「あれ?みんなどうしたの?」🤔
モチはゆっくりと目をこすりながら起き上がった。窓の外を見ると、村の広場に星たちが集まり、どよめいている。
😮「大変です!昨夜、また星の赤ちゃんが一つ、地球に落ちてしまいました!」
長老星のホシオが震える声で告げると、集まった星たちからは悲しみの光が放たれた。
最近、ほしぞら村では奇妙なことが起きていた。生まれたばかりの星の赤ちゃんたちが、次々と村から姿を消し、地球へ落ちてしまうのだ。
🌠「これで5つ目...このままでは星座のバランスが崩れてしまう...」
長老ホシオの声には深い悲しみがこもっていた。彼は千年以上もの間、星の道を守ってきた古い星だった。その長い歴史の中でも、こんなことは初めてだという。
モチは胸がキュッと締め付けられる感じがした。星の赤ちゃんたちは、まだ自分の輝き方も知らないうちに、見知らぬ世界に落ちてしまったのだ。
🌈「わたし、行きます!」
思わず口から飛び出した言葉に、自分でもびっくり。いつもおっとりとしたモチが、こんなに勢いよく発言するなんて珍しいことだった。
「モチ、君は何を言っているんだ?」長老ホシオが驚いた顔で尋ねる。
「わたし、地球に行って星の赤ちゃんを探します!だって、わたしにはみんなの声が聞こえるから...」🌟
そう、モチには特別な能力があった。「星のおしゃべり」——星たちの気持ちを聞き取り、言葉にできる不思議な力だ。
村人たちは戸惑いの表情を浮かべていた。誰も地球に降りたことはなかったし、帰ってこられるかどうかも分からない。危険すぎる冒険だった。
💫「でも、このままじゃ星の赤ちゃんたちは迷子のまま...それに、地球の人たちも困っているかもしれない...」
モチの言葉に、長老ホシオはゆっくりと頷いた。深いしわの刻まれた顔に、懐かしさと決意が混ざったような表情が浮かぶ。
「実は私にも秘密がある。かつて私も地球を訪れたことがあるのだ...」🌍
村人たちからどよめきが起こった。誰も知らなかった長老の過去。ホシオは続けた。
「その時、一人の人間の女の子と友達になった。彼女は星を愛し、いつも空を見上げていた...」
🕰️ホシオの目は遠い記憶を追いかけているようだった。それは300年も前の話だという。
「モチ、お前なら行ける。お前の中には特別な光がある。私が持っている『光の羽』をあげよう。これがあれば地球と星空を行き来できる」
長老は懐から、虹色に輝く小さな羽を取り出した。それは触れるとふわりと浮かび、モチの背中にぴたりとくっついた。
✨急に背中が暖かくなり、モチの体が淡く光り始めた。不思議な感覚。心臓がドキドキと高鳴る。これが冒険の始まりの予感なのかもしれない。
「行ってらっしゃい、モチ。星の赤ちゃんたちは、きっとお前を待っている」🌠
村人たちに見送られ、モチは光の羽を広げた。体がふわりと宙に浮く。
「みんな、待っててね。絶対に星の赤ちゃんを連れて帰ってくるから!」
そして——モチは深い青の空へと飛び立った。知らない世界への旅立ち。小さな体に大きな決意を抱いて。
🌠大気圏に突入した瞬間、モチの体はキラキラと輝きながら流れ星のように地球へと落ちていった。暗い夜空を横切る光の筋に、地上の子どもたちは歓声を上げる。
「ねえ見て!流れ星だよ!」
「お願い事しなきゃ!」
🌲モチは小さな森の中へと降り立った。星空から見るのと地上は全然違う。木々の匂いや虫の音、風の感触。すべてが新鮮で不思議だった。
「うわぁ〜、地球ってこんなところなんだ...」
きょろきょろと周りを見回していると、近くの茂みから「しくしく」と泣き声が聞こえてきた。
🦊「だ、誰かいるの?」
恐る恐る茂みをのぞき込むと、そこには小さな子ギツネが一匹。片足を怪我してうずくまっていた。
「どうしたの?大丈夫?」
キツネは驚いた様子でモチを見上げた。夜の森で淡く光る不思議な生き物に、最初は警戒している様子。
[(2)につづく]