光の羽のメッセンジャー ~星空モチの約束~ (3)
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モデル:flux1-schnell
[(2)のつづき]
🌕モチと星の赤ちゃんは、一晩ミキとおばあさんの家で過ごすことになった。明日の満月の夜に、すべての謎が解き明かされるかもしれない...
🌕満月の夜、一行は丘の頂上へと向かった。星明かりだけで十分なほど、道はくっきりと照らされている。モチ、星の赤ちゃん、ミキ、そしておばあさんのヨシエ。四人の影が月明かりに長く伸びていた。
「この丘は昔から『星見の丘』って呼ばれてるのよ」ヨシエおばあさんが息を切らしながら杖をつく。「祖母はよくここで星を眺めていたって」
⛰️丘の頂上に着くと、そこには古い望遠鏡が据え付けられていた。錆びついてはいるが、レンズは月光を反射して煌めいている。
「ここで待つのね?」ミキが空を見上げる。星々が普段より大きく、近く感じられる夜だった。
モチは背中の光の羽を広げた。「うん、でもまずは…」
🔍モチは持っていた星の欠片を、星の赤ちゃんと並べてみた。するとぴったりとはまり、より強い光を放ち始める。おばあさんの箱からの欠片も次々と引き寄せられ、星の赤ちゃんを形作っていく。
「不思議ね…」ヨシエおばあさんが目を細める。「まるで磁石みたい」
星の赤ちゃんは、完全な姿を取り戻していくにつれて、どんどん明るく輝いていった。
🌠「あのね、実はわかったんだ」モチが言った。「この星の赤ちゃんたち、迷子になったわけじゃないの。みんな何かを探しに地球に来たんだ」
日記に記された地図、300年前のホシオの訪問、そして星の赤ちゃんたちが地球に落ちてきた理由—全てが繋がり始めていた。
空から不思議な光の筋が降り注ぎ始めた。まるで星からの光のカーテンのよう。その中心に向かって、星の赤ちゃんが浮かび上がった。
✨そして突然、周囲の空間が歪み、ほわっと温かい光に包まれる。そこにはホシオの姿が透けて見えた。まるでホログラムのように。
「長老ホシオ!」モチは驚いて叫んだ。
「よく来たな、星空モチ」ホシオの声が優しく響く。「そして…久しぶりだね、エミ」
ヨシエおばあさんは涙ぐみながら微笑んだ。「おばあちゃんから聞いた通りの方…でも、なぜ私の名前を?」
🌟「君はエミの曾孫…彼女にそっくりだ」ホシオが答える。「実は300年前、私はある約束をしたんだ。エミとの約束を」
ホシオは昔語りを始めた。エミという少女が病気で星が見えなくなりそうだった時、ホシオは彼女に「いつか星の子を送る」と約束したという。エミは回復し、一生星を研究し続けた。その血は今、ヨシエとミキに受け継がれていた。
「星の赤ちゃんたちは、エミの子孫を探していたんだ。星を愛する家族との絆を求めて」
💫その時、星の赤ちゃんの体から七色の光が放たれ、ヨシエおばあさんの持つ木箱から最後の欠片が飛び出した。それは小さな星の核。赤ちゃんの心臓部分だった。
「これが…」おばあさんは思い出したように目を見開いた。「おばあちゃんがいつも『私の宝物』と呼んでいたもの…」
核が星の赤ちゃんと一つになった瞬間、まばゆい光が辺りを包んだ。
👨👩👧閃光が収まると、そこには人間の形をした星の家族が立っていた。長い間別れていた母星と子星たちの再会。彼らは光の粒子のように輝いている。
「ありがとう、星空モチ」母星が優しく微笑んだ。「あなたのおかげで家族が再会できました」
😊モチは照れくさそうに頭をかいた。「わたし、星のおしゃべりができるから。きっと彼らの気持ちがわかったんだと思う」
星の家族はヨシエとミキに感謝の気持ちを伝え、空へと浮かび上げっていった。
「また会いに来るからね!」星の赤ちゃんたちが手を振る。
🌌別れの時、モチも光の羽を広げた。でも心のどこかで寂しさを感じていた。
「また来てね、モチちゃん」ミキが抱きついてくる。
「うん、必ず!」モチの目に涙が光った。「今度はみんなで星占いをしよう。満月の夜にね」
✨光の羽で空へと舞い上がるモチ。地上では二人が見送っている。夜空には新しい星の輝きが増えていた。
ほしぞら村では、帰還したモチと星の赤ちゃんたちを村人総出で歓迎した。長老ホシオは満足そうな表情でモチの成長を見守る。
「これからは、人間と星をつなぐ架け橋になろう」モチは決意した。「どんなに小さくても、みんなを癒せる力がある」
🔭それからというもの、満月の夜になると、丘の上の古い望遠鏡はいつも不思議な光に包まれるようになった。そして空を見上げれば、星空モチの姿が見える気がするのだ。
ミキは大きくなっても星を見ることをやめなかった。そしていつか自分の子どもにも、星空モチの物語を語り継いでいくことだろう。
どんなに遠く離れていても、心はいつもつながっている——星空モチが教えてくれた、宇宙一の真実。
[おわり]