薄暗い森の中に、ひっそりと佇む廃墟の教会。かつては多くの幸せを誓う声が響き渡った場所も、今は風雨に晒され、朽ち果てています。その教会には、白いウェディングドレスを着た女性の幽霊が彷徨っているという言い伝えが残されています。 彼女は、花嫁として教会へと向かう途中、暴風雨に見舞われ、この場所で生涯を閉じたと伝えられています。永遠の幸せを夢見ていた若き花嫁は、永遠の孤独を強いられたのです。 ある夜、その教会を訪れた若者たちは、かすかな足音を聞きつけました。恐る恐る音の源へと近づくと、そこには白いウェディングドレスを着た女性の幽霊が立っていました。彼女の顔は影に隠れ、その正体は見えません。 若者たちは、恐怖に震えながらも、なぜこの場所に現れたのかと問いかけました。しかし、幽霊は何も答えません。ただ、手には白い花束を持ち、教会の奥へと消えていきました。 翌日、若者たちは再び教会を訪れ、幽霊の正体を突き止めようと試みました。しかし、幽霊は現れることはありませんでした。ただ、教会の床には、昨日までなかった白い花びらが散りばめられていたのです。 それからというもの、若者たちは度々、教会を訪れるようになりました。そして、いつしか彼らは、幽霊がなぜこの場所に縛られているのか、その悲しい物語を想像するようになりました。