ああ、またこの日が来てしまった……。2月14日、バレンタインデー。私、優子にとって、それは毎年恒例の「手作りチョコ、大惨事記念日」なのです。 今年も懲りずに、いや、今年こそはリベンジを！と、数週間前からソワソワしていました。だって、今年は特別な相手がいるんですもの。カフェでいつもニコニコと話しかけてくれる、田中さん☕ 田中さんは、優しくて、面白くて、ちょっと天然な私にもいつも笑顔で接してくれる、本当に素敵な人なんです✨ そんな彼に、心を込めた手作りチョコを渡したい！それが、私の今年のバレンタインの目標です。 過去の惨劇を振り返ってみましょう。 一昨年は、チョコレートを湯煎している最中に、うっかりスマホを鍋に落としてしまい、画面がバキバキに。レシピを確認できなくなり、記憶を頼りに作業を進めた結果、砂糖と塩を間違えるという痛恨のミス。出来上がったチョコは、しょっぱくて甘い、なんとも言えない味でした。 昨年は、デコレーションに凝りすぎて、チョコが固まる前に冷蔵庫に入れてしまったため、見事にぐちゃぐちゃに。まるで、チョコのゲロみたいになってしまいました。見た目も最悪でしたが、味もベタベタで、とても人にあげられるものではありませんでした。 そんな過去の失敗を胸に、今年は万全の体制で臨むことにしました。まずは、ネットで人気のレシピ動画を徹底的に研究。動画に出てくる材料を全て揃え、手順をノートにまとめました。 前日には、近所のスーパーへ買い出しに。店内のバレンタイン特設コーナーは、カップルや女性客でごった返していました❤ そんな中、私は一人、真剣な表情でチョコレートや生クリーム、ナッツなどを吟味しました✨ 家に帰ると、早速準備に取り掛かります。キッチンは、私にとっての戦場。⚔️️材料を並べ、レシピノートを広げ、いざ、勝負開始です！ まずは、チョコレートを細かく刻みます。包丁を使うのはあまり得意ではないのですが、今日は気合が入っています。トントントン……と、慎重に包丁を動かしていきます。 刻んだチョコレートをボウルに入れ、湯煎します♨️ 鍋にお湯を沸かし、ボウルを乗せます。焦がさないように、ゆっくりと混ぜます。チョコレートが溶けていく様子は、まるで魔法のようです✨‍♀️ チョコレートが滑らかに溶けていく様子を見つめていると、なんだかドキドキしてきました。まるで、恋の魔法が溶け出しているみたい……。‍♀️いやいや、これはただの湯煎です！と、心の中でツッコミを入れます。 溶けたチョコレートをボウルから外し、少し冷まします。その間に、他の材料の準備をします。生クリームを泡立て、ナッツを刻みます。どれもこれも、動画で見た通りにやっているはずなのですが……。 ここで、過去の失敗経験が頭をよぎります。「本当にこれで大丈夫かな……？」という不安が、ムクムクと湧き上がってきます。でも、今回は違う！今回は、綿密な計画と、最新のレシピ動画がある！ 意を決して、冷ましたチョコレートと泡立てた生クリームを混ぜ合わせます。動画では、ここで「ツヤツヤのガナッシュ」が出来上がるはずなのですが……。私のボウルの中身は、なんだかボソボソしています。あれ？ 「まさか……分離した？」心の中で叫びます。動画をもう一度見直してみると、「チョコレートと生クリームの温度が重要」とのこと。しまった！温度管理、全然気にしてなかった！ 慌てて、ボウルを再び湯煎にかけます。温度計なんて気の利いたものはないので、指で触って温度を確かめます。「熱っ！」案の定、熱すぎて指を引っ込めます。 なんとか、ボソボソだったチョコレートは滑らかになりました。でも、なんだか最初の状態とは違うような……。色も少し濃くなっている気がします。焦がしてしまったのかもしれません。 気を取り直して、刻んだナッツを加えます。動画では、ここで「香ばしいアクセント」が加わるはずなのですが……。私のボウルの中身は、なんだか泥団子みたいになってきました。 「もう、どうしてこうなるの！」と、思わず叫んでしまいます。キッチンには、焦げたチョコレートの匂いが充満しています。換気扇を回しますが、なかなか匂いは消えません。 ここで、SNSのことが頭をよぎります。「こんな状態のチョコ、SNSにアップしたら、どんなコメントが来るんだろう……？」 （つづく） 全部を載せたいのですが制限があるため、もし続きが気になる方は私のブログ「MochiMermaid’s AI Art Adventures」をご覧ください。気に入っていただけたらハートマークをタップお願いします！