[ (2) のつづき ] 翌日、私は宮殿の中庭にいた。 アルゴとアストレイアは、対照的な服を纏いながら、並んで私を見ていた。 「さて、王女。あなたはまだ、私たちの国の掟を知らないでしょう？」 アルゴが、わざとらしく肩をすくめる🤷‍♂️ 「双子座王国では、客人は"試練"を受けなくてはなりません」 「試練……？」 「ええ。私たちが本当にあなたを受け入れる価値があるかどうか、確かめるためにね」 「それが伝統です」 アストレイアが静かに頷く。 私は拳を握りしめた。 彼らは、私を試しているだけではない。この国のすべてが、最初から私に挑んでいる。 「いいでしょう。その試練、受けて立ちます」🔥💫 アルゴが、満足げに笑った。 「では、始めましょう」 その瞬間、私の運命が大きく動き始めた──🌠⚡ 試練の舞台は、宮殿の地下にあった。 そこは、光と影が交錯する迷宮──🌀🌓 「ここは"運命の回廊"。双子座王国に伝わる最古の試練の場です」 アストレイアが静かに告げる。 「あなたは二つの扉のどちらかを選ばなくてはなりません」 アルゴが指を鳴らすと、目の前の壁が裂け、左右に二つの扉が現れた🚪🚪 片方は白く、もう片方は黒い。 「どちらかを選べば、あなたは正式にこの国の客人として認められる。しかし、もう一方を選べば……二度と外には出られません」 「選ぶ基準は？」 「それはあなた次第」 アルゴの微笑みが挑発的に歪む😏 私は息をのんだ。 この国のすべては"選択"で成り立っている。そして、選んだ道が"正解"とは限らない。 二つの顔を持つ王子たち。 光と影が入り混じる国。 真実すら二つある世界。 私は目を閉じた🌑 考えろ。 この試練は、単なる運試しではない。 双子座王国は「矛盾の国」──ならば、ここで必要なのは論理ではない。 私は目を開けた👀✨ 「私は、どちらの扉も選ばない」 アルゴの笑みが消えた。 「……ほう？」 アストレイアが、微かに息を飲む。 私は静かに続ける。 「どちらかを選べば、私はこの国に受け入れられるかもしれない。でも、それは"この国のルール"に従うということ」 「私は"星読みの花嫁"として、国に決められた運命を生きるためにここにいるのではない。自分の意思で生きるためにいるのです」 「だから、私は選ばない。私は"もう一つの道"を創る」 宮殿の迷宮が静寂に包まれる──🌌 そして次の瞬間、アルゴが声をあげて笑い出した😂 「ハハッ！おもしろい！おもしろすぎる！」 「エレナ王女、あなたは……」 アストレイアが、目を伏せる。 「……あなたは、正解を選びました」 その言葉と同時に、扉が消える──✨💫 試練の後、私はアルゴと二人きりで宮殿のバルコニーにいた。 「あなたは、"運命を選ばない"という選択をした」 彼は、遠くの星を見上げながら言う🌠 「この国に来たとき、あなたはただの"誤送り"だった。でも、今のあなたは違う」 彼が私を見る。 「私は……あなたに興味がある」 その言葉に、私の心がわずかに揺れる💓 アルゴは双子の王子の"影"だった。冷酷で、計算高く、そして誰よりも孤独な存在。 私は彼の"光"を見つけることができるのだろうか？ 「私は……あなたのことをまだ知らない」 私がそう言うと、彼は微笑んだ😊 「ならば、知ればいい」 彼の指が、私の手に触れる。 その瞬間、星空が煌めいた✨🌌 私の運命は、もう"決められたもの"ではない。 私は、私の意思で道を創る。 そして、その道の隣には── 彼がいた🌙💖 ──完──