[ (2) のつづき] 🌙✨🐰✨🌙 「……考えさせて」 蓮司は微笑んだ。 「OK、でも長くは待てないよ。これは、時間との勝負だから⏳✨」 私の心は、決まっていた。 ただ、決意を固めるには、もう少し時間が必要だった。 🌙✨🐰✨🌙 ——そして、私はその夜、翔と再会することになる。 「久しぶりだな、あかり」 シャンパンの泡が弾ける音が、やけに大きく響いた🍾✨ 🌙✨🐰✨🌙 「久しぶりだな、あかり」 久我崎 翔は、相変わらずだった。 黒のスーツに、スマートな時計⌚✨ 髪は少し伸びたけど、その瞳の奥にある "何を考えているのか分からない冷たさ" は昔と変わらない。 私は自然な笑顔を作る。 ここで動揺したら、もう負けだ。 「お久しぶりですね🍸✨ お元気そうで何より」 「……そっちこそ、相変わらず綺麗だな」 翔はグラスを傾けながら、じっと私を見つめた。 ——この人は、私のことを試している。 分かってる。 彼は、昔からそういう人だった。 🌙✨🐰✨🌙 ——3年前。 私は翔に、本気で恋をしていた。 「お前は夜の世界にいるべきじゃない」 彼はそう言って、何度も私をこの店から連れ出そうとした。 でも私は断った。 「私はここで"魔法"をかけるのが好きなの✨」 「……じゃあ、お前とはもう終わりだな」 彼は、それだけを言い残して去った。 🌙✨🐰✨🌙 そして今。 再び目の前に現れた翔は、変わらず "港区の帝王" の顔をしていた。 「どうして、私の前に現れたんですか？」 「あかり、お前こそどうしてここにいる？」 翔は微笑んだ。 「俺が買収しようとしてるビルの契約交渉に、お前の名前が出てたからな」 「……！」 そういうことか。 蓮司が言っていた"物件"は、翔が狙っていたものだった。 「お前、本当にカフェなんて開くつもりなのか？」 「もちろん☕✨ 私の夢ですから」 「ふざけるな」 翔はグラスを置いた。 「お前の才能は、そんな場所に収まるものじゃない。俺と組めば、もっと大きなことができる」 「……」 「俺と来い、あかり」 その言葉を聞いた瞬間、胸の奥で何かが弾けた。 🌙✨🐰✨🌙 ——過去の私なら、ここで迷ったかもしれない。 翔と一緒にいれば、すべてが手に入ったかもしれない。 でも私はもう、夜の魔法に溺れて生きるつもりはない。 私は、私の手で "自分の場所" を作ると決めたんだから。 私は微笑んだ。 「翔さん。私はもう、誰かの影で生きるつもりはないんです🌙✨」 翔の表情が、わずかに変わる。 「……お前、本当に変わったんだな」 「ええ。バニーガールは、魔法使いですから🎩✨」 翔は、ゆっくりと立ち上がる。 「……負けたよ」 そう言って、彼は静かに店を後にした。 🌙✨🐰✨🌙 それから数週間後——。 私は、蓮司の紹介で 最高の物件 を手に入れた。 そしてついに、私の カフェ『Moonlight Café』 がオープンした☕✨ 🌙✨🐰✨🌙 夜の世界で学んだことは、無駄じゃなかった。 人を癒すこと、空間を作ること、言葉の力。 すべてが、今の私を支えている。 「いらっしゃいませ🌸✨」 扉が開く。 そこには、見慣れたスーツ姿の男。 「……ようやく、君の本当の魔法を見せてもらえるんだな」 蓮司が笑って、席についた。 私は、彼のカップに 温かいコーヒー を注ぐ。 「ようこそ、Moonlight Caféへ🌙✨」 ——これが、私の新しい物語の始まり。 🌙✨🐰✨🌙 END