推しって、こんなにも人生を輝かせてくれるんだ。 私の名前はユイ。25歳、普通のOLだけど、心の中はキラキラに満ちている。それは全て、XYZのハルトくんのおかげ。 去年の冬、会社の締め切りに追われて、心が折れそうだった時に出会ったんだ。深夜にYouTubeで、たまたま目に留まったXYZの動画。その時の衝撃は今でも忘れられない。 画面の中で輝いていたのは、茶色の柔らかな髪を揺らしながら歌うハルトくん。透き通った歌声と、どこか儚げな笑顔に、私の心は一瞬で奪われてしまった。 それから私の日常は、180度変わった。スマホの中はハルトくんでいっぱいになり、通勤電車では必ずXYZの曲を聴くようになった。疲れた時は、ハルトくんのブログを読んで元気をもらう。 でも、周りの人には言えない。「いい年して」って笑われそうで。だから、このドキドキは、私だけの秘密の宝物。 そんな私にも、同志がいる。SNSで出会った美咲とカナ。彼女たちとなら、推し活の全てを共有できる。今日は、三人でハルトくんのライブに行くんだ。 チケットを手に入れた時の喜びは、まるで宝くじに当選したみたい。でも実は、それ以上に怖かった。だって、私の心の中のハルトくんは、完璧すぎるから。 現実のハルトくんを見て、この想いが壊れてしまったら...。そんな不安を抱えながら、私は今、駅のホームに立っている。 電車に揺られながら、スマホの中のハルトくんを見つめる。今日着ていく服は、昨日の夜に決めたのに、また不安になってきた🎀 「やっぱり、このコーデじゃダメかな...」 その時、LINEが鳴った。美咲からだ。 「ユイちゃん、もう電車？私、会場近くのカフェにいるよ！」 そうだった。私には仲間がいる。一人じゃない。 改札を出ると、待ち合わせ場所の「Star Cafe」が見えてきた。大きな窓から差し込む光の中、美咲が手を振っている。隣には、カナも。 「おはよー！」 「ユイちゃん、そのコーデ可愛い！」 二人の言葉に、朝からの不安が少しずつ溶けていく。 カフェの中は、既に推し仲間でいっぱい。みんな、思い思いのXYZグッズを身につけている。私たちだけじゃない。こんなにも多くの人が、ハルトくんに魅了されているんだ🌈 「ねぇねぇ、昨日のブログ見た？」 カナが目を輝かせながら話し始める。 「うん！もう何回も読んじゃった...」 「あのフリフリの白シャツ姿やばくない？」 「わかる！天使すぎた...」 お気に入りのアイスティーを飲みながら、推しトークに花が咲く。こんな時間が、私には何より贅沢な幸せ。 「あ、そろそろグッズ列並ばない？」 美咲の一言で、現実に引き戻される。時計を見ると、もうこんな時間！ 急いで会計を済ませ、会場に向かう。遠くから見える巨大なアリーナに、胸が高鳴る。 「あっ！」 私の目の前で、誰かがペンライトを落とした。拾おうとしたその時、隣にいた女の子も同じように手を伸ばす。 「あ、ごめんなさい！」 「いえいえ」 お互いに謝りながら顔を見合わせると、その子はにっこりと笑った。首からかけているパスケースには、ハルトくんの写真。 「私も、ハルトくんが推しなんです！」 思わず声が出た。すると彼女も嬉しそうに、 「えっ！私も！これから一緒に並びませんか？」 こうして、また新しい絆が生まれた。名前は莉子ちゃんっていうんだって。 グッズ列に並びながら、四人でワイワイ話す。知らない間に、列の周りには同じような輪がいくつもできていた。まるで、小さな光の粒が集まって、大きな星空を作っているみたい✨ 列に並ぶこと2時間。やっと手に入れたグッズを抱えて、私たちは会場内へと足を踏み入れた。 「ねぇねぇ、このTシャツ可愛すぎない？」 「私、ブレスレット買えた！」 みんなで戦利品を見せ合う。その時、館内放送が流れる。 「まもなく開演です。お客様は...」 その瞬間、私の心臓が跳ね上がった。もうすぐ、生のハルトくんに会える。 「ユイちゃん、緊張してる？」 美咲が優しく肩に手を置いてくれる。 「うん...でも、大丈夫！」 座席に着くと、目の前にはメインステージが広がっていた。ここから見るステージは、動画で見るのとは全然違う。まるで、夢の入り口に立っているような感覚。 「お待たせしました！」 場内が暗転し、歓声が上がる。キラキラと光るペンライトの海が、会場を埋め尽くす。 そして、あの声が響いた。 「どうも、XYZです！」 （つづく） 文字数に制限があるため、続きは私のブログ「MochiMermaid’s AI Art Adventures」をご覧ください。気に入っていただけたらハートマークをタップお願いします！