月影繚乱、新しき刃の継承 "Blade of the Future, Legacy of the Moon"
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AIツール:その他
モデル:flux1-schnell
年齢制限:制限なし
投稿日:2024年12月30日
「ねえ、これってどう見てもコスプレじゃないよね?」
目の前に転がる鎧兜を見つめながら、思わずつぶやく。真紅の布と金の装飾が眩しいその兜は、父の遺品を整理していたときに見つかったものだ。触れてみれば、冷たさの中に奇妙な温もりを感じる。
「父さん、こんなの持ってたんだ……」
亡くなった父は武術の師範で、厳しい人だったけど、こんな派手な趣味があったとは知らなかった。私はピンクの光沢ドレスを整え、鏡に映る自分と兜を見比べた。思わず笑ってしまう。これ、着けたら私、戦国時代から来た未来侍に見えない?
でも、その兜はただの遺品ではなかった。軽く撫でた瞬間、金色の装飾部分が光り出し、まるで私を選んだかのように、声が聞こえた。
「お初にお目にかかる。鳳翔(ほうしょう)と申す――そなたが新しき主であるか?」
驚きのあまり、思わず後ろに飛びのいた。目の前で兜がしゃべる?いや、しゃべるだけじゃない。兜の内側に青白いホログラムの顔が浮かび上がっている。整った男性の顔――いや、武士らしい髭を持つその顔は、どことなく古臭いけど、目はAI特有の無機質な輝きを放っていた。
「は、鳳翔?兜がしゃべるなんて……いや、これ、父さんの冗談か何か?」
「無礼者、これは真剣なる使命を担う神器でござる。汝、己の血筋を忘れたか!」
突然の説教モードに、私はただ口をポカンと開けるしかなかった。でも、次の瞬間、兜の内部ホログラムに父の映像が再生され、彼が語りかけてきた。
「真咲、お前がこれを見ているということは、私の命はすでに尽きているのだろう。だが、この兜はお前に託す。お前が成長し、真の武士として立つ時を信じている――」
父の声に涙がこみ上げた。だが、話はそれだけでは終わらなかった。兜の裏には、父が私に託した技術の秘密と、なぜこれが重要なのかが詰め込まれていた。それと同時に、鳳翔が私を細かくスキャンして分析を始めた。
「主殿、体力不足、筋力不足、さらに精神的耐性もやや欠如しておるな。これでは武士として失格でござる。」
「はあっ!? 初対面でいきなりそれ!?」
鳳翔の冷徹な指摘に、怒りを覚えつつも、私はこの奇妙な状況に飲み込まれていった。そして、手元の兜にそっと触れながら、父の遺志を背負う覚悟が少しずつ芽生え始めたのだ。
**
翌日、白銀京(しろがねきょう)の朝は、いつも通り月面の青白い光で満ちていた。窓から見える都市は、伝統的な和風建築とハイテクなドームシールドが融合した景観で、見慣れているはずなのに、どこか違う。あの兜――いや、鳳翔の存在が私の視点を変えてしまったのかもしれない。
鳳翔と共に朝食をとる、という新しい日課が始まったのは意外にも平和だった。私が大好きな「月見うどん」に対して鳳翔が分析を始めるたび、彼の古風な言い回しとAI特有の論理的な説明が噛み合わず、思わず笑いがこぼれる。
「卵黄の配置がまことに見事でござる。これぞ、侍の朝食にふさわしい!」
「いやいや、ただのうどんだから!」
その平穏も束の間、コロニー採掘地で襲撃事件が発生したというニュースが飛び込んできた。通信端末を見つめる私に、鳳翔が真剣な声で問いかける。
「主殿、この事態、どうされるおつもりか?」
「どうするって……私はただの高校生だよ!」
そう答えながらも、心の中に奇妙な感覚が生まれていた。もしかしたら、この兜を使えば――。そう思った瞬間、鳳翔が鋭く私を見つめたような気がした。
「そなたの血が騒ぐのではないか?月影の武士として。」
その言葉に、私は背筋が凍る思いだった。
果たして、私は父が願った「月影の武姫」になれるのだろうか?それともただの未熟者で終わるのか?答えを探す時間は、もう残されていなかった。次々と迫り来る運命が、私を無理やり巻き込もうとしていたのだから――。
(つづく)
全部を載せたいのですが、残念ながらこちらのキャプション欄には文字の制限があるため、もし続きが気になる方は私のブログ「MochiMermaid’s AI Art Adventures」やnoteをご覧ください。気に入っていただけたらハートマークをタップお願いします!