ネットと私と、ときどきリアル - Ctrl+Alt+Connect: A Tale of Intro
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ああ、また始まった…。朝の挨拶回り。私、静香にとって、これは拷問に等しい時間だ。
「おはようございます…」と、蚊の鳴くような声で言うのが精一杯。
相手の目を見るなんて、至難の業。
心臓はバクバク、手はじんわり汗ばむ。♀️
情シスに所属する私は、基本、PCと睨めっこの毎日。
人と話す機会は極力避けたい。♀️
でも、メールの返信✉️は別。
キーボード⌨️を叩いている時は、まるで別人のように饒舌になる。✨
的確かつ迅速な対応は、社内でもちょっとした評判らしい。
「メールの女神」とか、陰で呼ばれているとかいないとか…?女神…?いやいや、ただの引きこもりですよ、私は。
今日の社内SNSのタイムラインも、いつものように賑やかだ。
「おはようございます!今日も一日頑張りましょう!」とか、
「昨日の飲み会楽しかったですねー!」とか、
キラキラ✨した言葉が飛び交っている。眩しい…!☀️
私はというと、いいねだけ押してそっと画面を閉じる。
ああいうノリ、本当に苦手。
直接会って話すとなると、言葉が出てこなくなっちゃうんだよね…。
でも、オンラインだと、不思議とスラスラ言葉が出てくる。⌨️✨
顔が見えないからかな?
そう、私は極度の人見知り。人前で話すなんて、考えただけで鳥肌が立つ。
でも、PCの前️だと、まるで別人。
キーボード⌨️は私の最強の武器。⚔️
そんな私にとって、新入社員研修は大イベントだった。いや、大惨事と言った方が正しいかもしれない。
研修担当の山田さんが、青い顔で情シスに駆け込んできたのだ。♂️
「静香さん!大変なんです!研修で使うPCが次々とトラブルを起こして…!」
山田さんは、いつも明るくてハキハキしている人。☀️
そんな彼がここまで慌てているのを見るのは初めてだった。
「え…あ、はい…」と、私は小さく答えるのが精一杯。
心臓はまたもやバクバク。
でも、メール対応で鍛えた反射神経が、私を突き動かした。⚡️
「一体何が起こっているんですか?」と、珍しく自分から質問していた。
我ながらびっくり。
研修会場に着くと、そこはまさに戦場だった。
新入社員たちが、PCの前で途方に暮れている。
山田さんは、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、完全にパニック状態。
「静香さん、助けてください…!」と、藁にも縋る思いで私を見てくる山田さん。
私は深呼吸を一つ。大きく息を吸って、吐いて…スーッ…ハーッ…♀️
そして、覚悟を決めた。
「私が対応します。」と、今まで出したことのないくらいの、しっかりした声で言った。️
自分でも驚くほどの、落ち着いた声だった。
新入社員たちの質問に、一つ一つ丁寧に答えていく。
「このエラーメッセージは、こういう意味です。」
「この設定を変更すれば、問題は解決します。」
キーボード⌨️を叩く音だけが、静かな研修会場に響く。
まるで、私が指揮者になったオーケストラのようだ。
次々と問題を解決していく私を見て、新入社員たちの顔に笑顔が戻っていく。
その笑顔を見て、私もなんだか嬉しくなってきた。
人前で話すのは苦手だけど、こうやって誰かの役に立てるのは、嬉しいんだな、と改めて思った。
研修後、新入社員の一人が、私のところにやってきた。♂️
「あの、ありがとうございました!本当に助かりました!」と、キラキラ✨した目で言われた。
「い、いえ…」と、私は照れながら答えるのが精一杯。
でも、心の中はポカポカ☀️と温かくなった。
その日から、社内で私の評価が少し変わったらしい。
「人見知りだけど、いざという時は頼りになる」
「メールの女神は、リアルでも女神だった」
そんな噂が、社内SNSで囁かれるようになった。
私はというと、相変わらず人前ではモジモジしてしまうけれど、メールや社内SNSでのコミュニケーションは、以前より少しだけ積極的に参加するようになった。
オンラインとオフラインのギャップ。↔️
それが、私の個性なのかもしれない。
そして、インターネットは、私のような人見知り人間にも、人と繋がる新しい方法を与えてくれたのかもしれない。
顔出しや直接的な交流だけが、コミュニケーションの全てじゃない。♀️
キーボード⌨️を通して、私は私らしく、人と繋がることができる。
それは、私にとって、とても大切なことなのだ。
(つづく)
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