夜空に輝く星々は、地球に迫る危機の予兆だった。誰もが平和な日常を過ごす中、宇宙の彼方からひそかに接近する漆黒の影。それは、やがて人類の運命を大きく変えることになる。 「ケン！また寝坊か！」琥央教授の声が研究室に響き渡る。慌てて目を覚ました青年は、実験データが散らばる机の上で居眠りをしていたことに気づいた。 「すみません…昨日の空手の稽古が深夜まで続いてしまって…」ケンは照れくさそうに後頭部を掻きながら謝った。琥央教授は、この優秀だが少々怠惰な研究助手に、いつも手を焼いていた。 琥央教授は宇宙物理学の権威で、特に未知の暗黒物質エネルギーの研究に取り組んでいた。ケンは彼女の下で宇宙物理を学びながら、空手道部のエースとしても活躍する二刀流の日々を送っていた。 「ねえ、見て！」突然、研究室の窓際にいた同僚の美咲が声を上げた。午後の空に、奇妙な光の帯が現れている。まるで、オーロラのように揺らめくそれは、次第に不気味な紫色に変わっていった。 その瞬間、研究室の機器が一斉に警告音を発し始めた。「これは…想定外の暗黒物質反応！」琥央教授の声が震える。データモニターには、地球に向かって急速に接近する巨大な物体の軌道が映し出されていた。 紫色の光は轟音とともに爆発し、そこから現れたのは、人類が見たこともない異形の存在だった。漆黒の装甲に身を包んだ巨大な人型生命体。その背後には無数の宇宙船が、不吉な影を落としている。 「地球の愚かな住人どもよ」轟く声が空間を震わせた。「我々はダークマター帝国。お前たちの惑星は、我が帝国の新たな植民地となる」 パニックに陥る街。逃げ惑う人々。そして、研究室の窓から事態を見つめるケンの瞳が、決意に満ちて輝いた。彼はまだ知らない。自分の人生が、この瞬間から大きく変わることを。 「先生、僕が現場に向かいます！」ケンは叫んだ。「待って！」琥央教授が彼を呼び止める。「これを持って行きなさい」教授が取り出したのは、古びた金属製のブレスレット。その表面には、不思議な星座の模様が刻まれていた。 「これは…私の祖父が研究していた古代の遺物。ギャラクシーブレスレットと呼ばれるもの。使い方は、きっとあなたなら分かるはず」教授の言葉に頷き、ケンは研究室を飛び出した。 街は既に混沌の渦に包まれていた。ダークマター帝国の兵士たちは、触手のような武器で建物を破壊し、市民たちを襲っている。その光景に、ケンの血が騒ぐ。 「やめろーっ！」叫びとともに、ケンは兵士に向かって跳び蹴りを放った。空手の技が決まったものの、相手はびくともしない。それどころか、恐ろしい力で彼を弾き飛ばした。 地面に転がったケンの腕で、ギャラクシーブレスレットが不思議な輝きを放つ。まるで、何かを訴えかけるように。その時、ケンの心に声が響いた。「勇気ある者よ、星の力を解き放て」 「ギャラクシーチェンジ！」心の導きのままに叫ぶと、ブレスレットから眩い光が溢れ出した。光に包まれるケンの体が変化していく。宇宙の星々をイメージした銀と青のアーマーが、彼の体を覆っていった。 光が収まると、そこには星の戦士「ギャラクシー」が立っていた。漆黒の宇宙をイメージした青と銀のアーマーが、夕陽に輝いている。ケン自身、自分の姿の変化に驚きを隠せない。 「この力は…！」ギャラクシーは自分の体に宿った新たな力を感じていた。まるで、無限の宇宙のエネルギーが体内を駆け巡るように。 「なんだ、その姿は」ダークマター帝国の兵士が嘲笑う。「人類風情が、そんな玩具のような姿で我々に立ち向かうつもりか」 「受けて立とう！」ギャラクシーは空手の構えをとった。体の感覚は人間の時と全く違う。だが、長年培った技の感覚だけは、確かに残っていた。 兵士が触手状の武器を振るう。だが今度は違った。ギャラクシーは驚異的な速さでそれを回避し、宙返りしながら相手の懐に飛び込む。「星空旋風キック！」 蹴りが決まった瞬間、兵士の体が青白い光に包まれ、爆発した。「やった！」歓喜の声を上げたのも束の間、新たな敵が現れる。 「私がお相手しよう」現れたのは、全身が結晶のように輝く女性型の戦士。「クリスタル・ノヴァ、推参」彼女は優雅な一礼とともに、自己紹介した。 ダークマター帝国の幹部戦士、クリスタル・ノヴァ。透明な結晶の鎧に身を包み、長い銀髪を風になびかせている。その美しさの中に、底知れぬ強さを秘めていた。 （つづく） 全部を載せたいのですが制限があるため、もし続きが気になる方は私のnoteをご覧ください。気に入っていただけたらハートマークをタップお願いします！