夜の風が草を優しくなでる。静寂の中、少年は丘の上に寝転がり、夜空を見上げていた。 俺の名前はハルタ。14歳。田舎町に住んでいる普通の少年だ。普通……というより、退屈な町にいる退屈な少年、と言ったほうが正確かもしれない。 この町には何もない。コンビニは9時に閉まるし、遊園地なんて夢のまた夢。唯一のエンタメは夜空に散らばる星たちくらいだ。だから、俺は毎晩ここに来て流れ星を探すのが日課になっていた。 🌠 「おっ、あれは流れ星か？」 夜空を切り裂くように光が走る。しかし、すぐに違和感に気づいた。流れ星ならすぐ消えるはずなのに、その光はまるで意志を持ったように、くねくねと蛇行しながら降下していく。そして—— 「うおお⁉️」 近くの空き地に、ズンッという鈍い音を立てて光が落ちた。心臓が跳ね上がる。まさか、隕石か？いや、それにしちゃ着地がやけに柔らかい。恐る恐る近づくと、そこには—— 🛸✨ 銀色に輝く、どう見てもUFOな物体が鎮座していた。 え、嘘だろ⁉️ UFO⁉️ こんなの映画の中の話じゃないのか⁉️ 頭がパンクしそうになる。けれど、次の瞬間、さらに現実をぶち壊す出来事が起こった。 🚪🔓 シューッ…… UFOのハッチが開き、そこから……何かが降りてきた。 👽⁉️ 青白い肌。目はまん丸で、体は人間よりも小柄。服の代わりに、うねうね動く奇妙な模様が全身に描かれている。まさに、宇宙人。 「……あの……」 声をかけようとした瞬間、宇宙人が何かをかざした。 💬❓ 「えっ……？」 宙に浮かんだそのシンボルを見て、俺は目を疑った。吹き出しの中に「❓」が浮かんでいる。まるで、俺に何かを尋ねているみたいに。 「もしかして……言葉じゃなくて、絵文字で会話するのか？」 宇宙人はこくりと頷き、次の絵文字を表示した。 🛸💥😭 「ああ……UFOが壊れたってこと？」 宇宙人はパッと顔を輝かせ、✨🙌✨を浮かべた。どうやら正解らしい。 俺は心の中で混乱しながらも、とりあえず宇宙人を家に連れて帰ることにした。だって、目の前で困ってるやつを放っておけるほど、俺は冷たい人間じゃないから。 それに…… 「なんか、ワクワクしてきたかもな」 この退屈な町で、俺の人生で、最高にぶっ飛んだ夜が始まろうとしていた——。 [ (2) に続く]